英語リスニングおすすめ動画:Grammar's great divide: The Oxford comma - TED-Ed



「オックスフォードコンマ」と呼ばれるコンマの使い方についての動画です。

コンマは、乱暴に言えば日本語の読点「、」にあたるようなものです。
日本語もそうですが、コンマで区切る場所によって文の解釈が変わってしまうということがあります。

動画で例示しているのは

Please bring Bob, a DJ and a clown

というもの。
これは読む人によって2通りに解釈できてしまいます。

1)ボブとDJとピエロを連れてきて
2)DJとピエロができるボブを連れてきて

ここではメッセージの送信者は1の意味で出したのですが、受信者が2の意味で解釈してしまっています。
まぁ実際にはボブがDJとかピエロができるかどうかわからなかったら聞けばいいじゃないとかそいういう身もふたもない話はおいておいて、前後の文脈や背景知識を考慮せず純粋に文字から意味を取ると2の意味の方が妥当なような気もします。
(コンマは同格というものですね。「ボブ」と「DJとピエロ」が同じものを指します)

そこで誤解を避けるためにはこう書くべきではないかというのがオックスフォードコンマです。

Please bring Bob, a DJ, and a clown

DJとandの間にもコンマをつけることで、「ボブ」「DJ」「ピエロ」の3つが同列の別々のモノであることをはっきりさせています。

オックスフォードコンマと呼ばれているものですが、どちらかというとアメリカの方でより一般的に使われており、MBA(米国現代語学文学協会)、シカゴマニュアルオブスタイル(シカゴ大学出版局)、合衆国印刷局などで推奨されているとのこと。
その他の英語圏では、オックスフォードを除いては。

使わない側の理屈としては、接続詞だけでも十分だったり、冒頭の例で言えば語順を変えればいいということ。

Please bring a DJ, a clown and Bob

なら、「ピエロとボブでもあるDJ」という解釈にはならないですよね。
また、記者など、文字数を減らしたい人たちもあまり好まないですよね、当然。
さらに、コンマを入れることで逆に分かりづらくなることもあるのだとか。

Please bring Bob, a DJ, and a puppy

この場合、「DJのボブ」と「犬」を連れてきて、という意味に解釈できてしまいます。
ボブとDJと犬は普通につないでも3つが同じものを指すとは思えない(ボブが人のことだと分かっていたり、犬がDJができるわけがないという常識から)のなら、コンマなしの方がよいという理屈です。

Please bring Bob, a DJ and a puppy
「ボブとDJと犬を連れてきて」


オックスフォードコンマを使うべきか否かの議論はありますが、一つの方針としては、使うと決めたら使う、使わないなら使わないで統一すること、だそうです。
いつもこのコンマを使っている人が、急に、使わなくても意味が通ると判断し使わなかった場合、読む側は意図的に抜いたものとみなし、文章の解釈を誤ってしまうのだと。

あとは、学校の先生が使うようならそれに合わせて使うとか、(記者の場合)編集長が好まないならやめるとか、周りに合わせることも大事でしょう。

結局言葉ですから相手に伝わってなんぼ。
解釈しやすいように心がけることが大事ですよ、ということですね。

僕らのような英語学習者は、そこまでコンマにこだわらなくてもいいかな~と思っています。
多少の誤解の余地がある表現であっても、情報を肉付けして補えばいいと思います。
僕は伝わりにくいと思った場合には、同じような内容を別の表現でもう一度言うようにしています。
そうすることで自分の意図が正確に伝わりやすくなりますからね。

これは母語でも同じことかな。

英語的にはとても聞き取りやすいナレーションです。
内容も学習者として興味深く一見の価値ありです。

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